NHKスペシャル 中国企業に買収されたレナウンと中国に進出するイーランド テレビ

10月23日のNHKスペシャルで放送された「“中国人ボス”がやってきた」
中国企業に買収された日本のアパレル企業レナウンの
その後1年間を取材したものだったが、現在の中国ビジネスの姿を
映し出していて非常に興味深いものだった。


発展途上独特のいい加減さや、荒々しさはあるにせよ
成長フェーズでは、細かい部分は大事ではあるが
あまりそこにコストをかけてはいられないという現状を
リアルに感じることができた。
そこで気になったポイントをいくつかメモ


●レナウンの今後の目標
レナウンは中国における出店目標として
・2014年(3年後)  300店の出店
・2016年(5年後)  1000店の出店
・2021年(10年後) 2000店の出店
の出店を今後目指すとのこと。


●中国での成約
北京での人気店においてはなかなか権利を得ることができないこと。
(市場以外の成約を受けることが多く、チャンスが回ってこない。
 回ってきても、邪魔されてしまうことも多い)
だからこそ、あまり目立たない地方から攻めるという手段も大事な戦略の1つ。


●韓国のアパレル企業最大手E.Land(イ・ランド)の例
この番組で気になった企業が、最近中国への進出を強めている
韓国のアパレル企業最大手E.Land(イ・ランド)。
中国全土に既に5000店以上の店を持ち
更に年間で、中国に1000店舗以上の出店を予定しているとか。
ちなみに、ユニクロでさえ2010年5月末時点で、日本国内で約809店舗、
海外で約135店舗、合計944店舗を展開しているので、1年間で
ユニクロの全店舗数を合わせた数を、展開しようというのだから
そのスピードに驚かされる。


番組内で、レナウンの社員が中国のあちらこちらで、イーランドの店舗を
見かける様子を、「デジャブだな」と表現していたが
すでにそれほどイーランドが中国のあちこちに出店しているということだ。
ちなみに、イーランドでぐぐってみると、この会社は
2020年までに中国で売り上げ10兆ウォン(6592億円)を目指しているとのこと。
ユニクロが現在売上が7000億円ほどなので、同じくらいの金額を
中国だけで目指しているようだ。
アパレル業界では、現在イーランドはベスト10のランキングにも
入っていないが、近い将来この名前を目にすることは
増えてくるのかもしれない。



以上、番組で放送されたいくつかのポイントを記述してみた。
日本企業としては、限られた資源の中で、優先順位のつけ直しを
迫られていたが、今後このようなケースは増えてくるのだろう。
これまでの日本企業にはなかなか受け入れがたいものだろうが
迫りくるグローバル社会の中で、日本にとどまるだけでなく
スピード感をもって世界にでないといけないと考えされられた
番組でした。