メガメーカー統合の時代へ 会社

日立製作所と三菱重工業が事業統合するというニュース。
当初は4日の夕方にも詳細を発表する予定だったが
急きょ取りやめたようだ。だがこれは発表をこのタイミングで
行うのをやめただけであって、今回の統合の動きはなしになった
ということではないだろう。

<div class= news >日立と三菱重工 事業統合に向け協議開始か
日立製作所と三菱重工業が事業統合に向けた協議を開始することで合意したと日本経済新聞などが8月4日報じた。
日本経済新聞の報道では、両社はともに主力とする社会インフラ事業などを2013年に統合し、電力分野、社会インフラ、ITを網羅する総合インフラ企業の形成を目指すとされている。また、NHKは同日「世界的に市場の急速な拡大が見込まれるエネルギーや社会インフラなどの事業を統合する新会社」の設立を検討すると報じた。
こうした報道を受けて、日立製作所と三菱重工業はそれぞれ4日午前9時に適時開示情報を発表、日立は「本日付の一部報道にて、当社と三菱重工業株式会社の事業統合に関する記事が掲載されましたが、そのような事実はありません」とするコメントを、三菱重工業は「これは当社の発表に基づくものではありません。また、報道された統合について、当社が決定した事実もありませんし、合意する予定もありません」とするコメントをそれぞれ発表した。</div>→<a href= http://japan.cnet.com/news/business/35005871/ target= _blank >日立と三菱重工 事業統合に向け協議開始か - CNET Japan</a>


日立は、ストレージ製品を扱う日立グローバルストレージテクノロジーズ誕生の
際にもIBMからストレージ部門を譲り受けたという経緯があるし
2010年には、グループ会社の日立ソフトウェアエンジニアリングと
日立システムアンドサービスを統合し、日立ソリューションズを
誕生させたりと、近年経営統合に関しては積極的な姿勢を見せて来たことから、
おそらく今回の三菱重工との統合を主導したのも日立だろう。


個人的には、日立はITや社会インフラに強く、三菱重工は
重工業に強みを持つことから、重複する箇所が異なるため
統合することで生じるメリットはそれなりにあるとは思うのだが、
それよりも興味深いのは、今回の両者の統合が引き金となって、他メーカー間の
統合にも拍車がかかるかもという点。


日本の大手電気メーカーの数が、多すぎるということは
以前からいわれてきたことであり、最近では国内すべての
大手電気メーカーの売上を足しても、韓国のサムスンにも及ばない結果と
なっている事からも、国内シェア争いで消耗するのではなく
統合し、世界で戦うことを前提とした仕組み作りが必要という声を多く聞く。


先日、薄型テレビの販売が各メーカーの赤字幅を拡大させているといった
ニュースもあったが、これにさらに追い打ちをかけるように
大幅な円高が、各メーカーを更に苦しませている。
これらの地合いの悪さからも、今後ますます中国やインドなどの
新興国が力をつけてくるのを考慮すると、各メーカー統合が
避けられないタイミングが来ていると感じている経営者も多いことだろう。


三洋がパナソニックの子会社になったことは記憶に新しいが、
今回の日立と三菱重工の統合がきっかけとなり、
2000年代のメガバンク統合に続き、今度は大手メーカー間の統合といった
メガメーカー統合の時代に突入するのかどうかは気になるところである。
銀行では結果、3メガバンクと呼ばれるように3つに集約されたが
総合電気メーカーは、3メガメーカーと呼ばれるようになるのか
4メガメーカーと呼ばれるようになるのか、現段階ではまったくわからないが
新しい局面に突入しつつあることは間違いないだろう。


※ちなみに日本国内の大手電機メーカーと言えば以下
・日立製作所
・パナソニック
・三菱電機
・東芝
・ソニー
・富士通
・日本電気(NEC)